5月15日(月)、私が事務局長を務めている「地方制度研究会」(代表:中田宏 参議院議員)の視察で、大変ユニークな教育を実践している「さいたま市立大宮国際中等教育学校(Saitama Municipal Omiya International Secondary School:通称MOIS)」に行ってきました。
MOISは、「ここで学ぶ、世界の未来のつくり方」という学校のキャッチフレーズが示す通り、大学受験を学習のゴールに置かず、国際的な視野に立って多様性を理解して探究し続ける「真の学力」の育成を目標に設立された6年制の中等教育学校です。
関田 晃 校長から1時間以上の内容の詰まったレクチャーを受けたのですが、その中でまず、MOISの特長として大きく3点を挙げられていました。
- 埼玉県内初にして唯一の中等教育学校として、教育課程の基準の特例を活かした特色あるカリキュラムによって、全ての生徒が6年間の系統的・継続的な学習活動を展開できる。
- 国際バカロレア(IB)のMiddle Years Programme (MYP) 及び Diploma Programme (DP) 認定校として、学ぶ意味を理解し、学び方を学ぶ、課題解決型の探究学習に取り組む。
- さいたま市が教育方針として掲げる3G "Grit" "Growth" "Global"、つまり「やり抜く力」「成長」「国際的な視野」を実現すべく、未知の状況や課題に直面しても臆せず諦めずに取り組み、協働して最適解を導く「未来の学力」を養う。
実際に授業を見学した際も、カリキュラムの組み立て方が1〜4年生の4年間(基礎力を育む時期)と5〜6年生の2年間(応用力を育む時期)で明確に分かれていました。
また、いわゆる「正解を答える」ような授業はほとんど無く、英語のみのやり取りも含めて、自分で課題を見つけ、各々の答えを模索するクラスが展開されていました。
当然の如く生徒1名1名にノートPCが配布されており、デジタル技術も駆使しながらグループで課題解決に取り組む授業が非常に多い印象でした。
国際バカロレア認定校というと、私立のインターナショナルスクールでしか実現が難しいというイメージを持っていましたので、参加した会員からも一同に「市立でここまで出来るとは驚きだ」という声が挙がっていました。
「やはり、清水勇人 さいたま市長の旗振りが非常に大きかったです」
質疑応答の際、関田校長が率直にその理由を語ってくださいました。
2017年のさいたま市長選挙で3期目の当選を果たした際のマニフェストに、清水市長がMOISの構想を掲げており、その実現に向けて強力なリーダーシップを発揮されたそうです。また、教職員の数や質においても特別の配慮が行われているとのことでした。
もちろん、さいたま市という全国有数の政令指定都市の権限と財源があるから出来ることで、「私のまちでは正直難しい・・・」とこぼす会員もいましたが、「首長でまちは変わる、教育は変わる」ということを実感する視察となりました。
視察を受け入れてくださったMOISの皆様に改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました!
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