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「信無くば立たず」ならば解散総選挙をすべき

安倍総理大臣が消費税率10%への引上げを2年半再延期する方針を決め、自民・公明両党も党内の承認手続きを終えました。そして本日6月1日の夕方に総理が会見を開き、国民へ直接説明を行いました。

 

以下が会見の動画です。

 

 

1年半前を思い出します。

 

当時の消費税増税法には、経済情勢によって増税を停止できる「景気条項」があり、安倍総理はその条項を適用して増税を延期しました。これは法手続きとして何の問題もありません。

 

それにも拘らず、首相は「平成29年4月に必ず増税できるよう約束する。だからアベノミクスを継続させてほしい」と国民に訴え、「これは増税延期の信を問う『アベノミクス解散』だ」とまで銘打って衆議院解散・総選挙を決行しました。この選挙で自公与党が大勝した後、約束を形にするべく消費税増税法から「景気条項」は削除されたわけです。

 

この平成26年末の総選挙において、結党から3ヶ月で党名すら浸透していなかった『次世代の党』は壊滅的敗北を喫し、私はともかくとして、他の多くの有能な若手議員が落選しました。

 

さて、翻って今回の再延期。

 

景気条項を削除したにも拘らず再延期を決断しながら、今回は解散総選挙を行わず参議院選挙のみで信を問うというのです。

 

これは、明らかに筋が通っていません。

 

参議院選挙も確かに国政選挙です。しかし、半数改選であり、政権交代の可能性もゼロです。理由はともかく、一度取り交わした国民との約束を反故にするわけですから、もう一度完全な形=衆院解散・総選挙で国民の信を問うべきでしょう。

 

以前のブログで、安全保障関連法制について私は「本来は憲法改正だが、賛成やむなし」と書きました。「国家・国民の安全を守る」という大義が存在したからです。

 

しかし、今回は違います。大義は無く、政局的な思惑があるだけです。こんなやり方を続けていたら、いつか民主党への政権交代時のように国民から大きなしっぺ返しを喰らうのではないかと危惧します。

 

安倍総理に頑張ってもらわねばならないからこそ、今回の解散見送りという政治決断は残念でなりません。

 

今マスコミを賑わせ、国民から大きな批判を浴びている舛添東京都知事に対して、総理は国会で「政治家は、信無くば立たずだ」と一刀両断しました。そう仰るならばご自身は、政局よりも国民との信頼関係を大事にしてほしかった。本当に残念です。