「批判だけではなく、建設的な提案もあわせて行う」
をモットーにしている私ですが、開院から5ヶ月が経過した生駒市立病院の現状については、良い提案も浮かばないほどに酷い状況です。
ただ、以前のブログでも継続的に取り上げ報告していくと宣言していますので、定期報告としてご覧ください。
まず、以前のブログで指摘した「各診療科の診察スケジュール」について。
さすがに少しずつ医師不足は解消されてきており、最新の状況がこちらの病院WEBサイトに公表されています。特に小児科の常勤医が7月から確保できたことは大きく、ようやく市立病院に求められる最大のニーズであった小児救急に何とか対応できるようになったようです。
しかし、「医師不足で実現できない」として生駒市と県北和地区の救急患者輪番への参加を見送るなど、まだまだ充分な医療体制を整えられているとは言えない状況です。
そして、さらに厳しいのが外来・入院患者数です。
指定管理者の医療法人徳洲会が市に提出していた事業計画書の想定患者数と、実際の患者数を比較してみます。
<6月>
想定外来患者数:94.7人/日 → 実際の患者数:41.4人/日(約44%)
想定入院患者数:41.7人/日 → 実際の患者数:16.5人/日(約40%)
<8月>
想定外来患者数:102.9人/日 → 実際の患者数:67.9人/日(約66%)
想定入院患者数:101.8人/日 → 実際の患者数:53.8人/日(約53%)
以前のブログでも書いた病院のガラガラっぷりから、厳しい数字だろうなと予想はしていましたが、想定から余りにかけ離れた状況に只々愕然とするばかりです。そもそもの病院の必要性から疑われる結果ではないでしょうか。
市側は「病院のPR不足が原因」と今更何を言うんだという言い訳に終始しているようですが、春の市長選挙・市議会議員選挙の大きな争点の一つとして議論され、市の広報その他で大々的にPRを行い、コミュニティバスを病院内にまで誘導しておいて、何がPR不足なのかと思わざるを得ません。これ以上、市民の貴重な税金を病院の広告宣伝費に浪費しないでもらいたいと思います。
患者数が想定からかけ離れている最大の要因は、地元医療機関との意思疎通を蔑ろにして強引に病院建設を進めた結果の連携不足に他なりません。実際、9月に開催された市立病院管理運営協議会の初会合にも、医師会関係から出す予定だった委員2人は選考されておらず、溝の深さを露呈しました。私自身、地域医療機関の何人もの先生方から「誰があんな病院に患者を紹介するか!」という生の声を聞いています。
率直に言って、このままでは生駒市立病院が成功するとは到底思えません。
生駒市として責任を持って、指定管理者である徳洲会の運営状況を厳しくチェックし、不断の運営見直しを行っていく必要があるのではないでしょうか。そのためにも、市民への運営状況の開示・情報公開という役割もある市立病院運営協議会の開催頻度をもっと高めるべきです。これだけ厳しい数字・状況が並んでいる中で、9月に第1回が開催されてから来年の2月まで開かれず、今後も年3回の頻度では絶対に少ない。「市民参加の市政」を標榜しておられる小紫市長のリーダーシップに期待したいと思います。
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小笠原 (月曜日, 25 1月 2016 12:21)
昨年の統一地方選挙で某次世代候補の方も当該病院の問題を訴えておられました。
この病院問題のほかにも生駒市には、
前市制が残していった問題点が多くあると考えています。
https://youtu.be/P5ZkD82LG1k
さかもと大輔 (水曜日, 27 1月 2016 18:21)
>小笠原さま
コメントありがとうございました。
奈良県政との大きな確執や学研高山第2工区の問題など、山下前市政が放置していった課題は多いです。
後継である現市長は「独自色を出す」と言っておられますが、こうした課題について早急に解決していこうという意思があるのか、残念ながら見えません。
生駒市立病院に関しては、まず現状を直視し、計画とのズレを分析して情報公開すること。市民参加の市政を唱えるなら、少なくともそこからスタートすべきです。